2024.05.16
マーケティング戦略
BtoB企業のためのマーケティングカンパニー
unname編集部
ターゲティングの設定は、マーケティングの最初のステップとなる重要なポイントです。BtoB企業における営業活動は、不特定多数の顧客と相対するBtoC商材よりも顧客と対面することが多い傾向にあり、ターゲットを明確に定義しやすい特徴があります。
ターゲティングを行えば顧客のニーズを把握でき、顧客の課題解決に貢献できる商品・サービスを提供しやすくなります。
そこで本記事では、BtoB企業がターゲティングを行うメリットや、ターゲットの設定方法について解説します。ターゲティングに関する理解を深め、BtoB営業を行う際の参考にしてください。
ターゲティングとは、自社の商品・サービスを販売する顧客層を絞り込むことです。売上を効率的に向上させるためには、自社の商品・サービスを求めているターゲットを定める必要があります。
たとえば、大企業よりも中小企業に求められているサービスを的確に中小企業へ提供できれば、成約につながる可能性が高まるでしょう。
また、ターゲティングは、自社だけではなく顧客が得られる価値も最大化する組み合わせを探す行為です。自社商品・サービスが売れて顧客の課題を解決できるという、双方が利益を得られる関係性を構築できれば、継続的な取引が期待できます。
さらにターゲティングは、マーケティングのフレームワークであるSTP分析における、分析軸の一つです。
STP分析とは、以下の3つの分析軸によって、マーケティング戦略を立てる手法です。
S : セグメンテーション(市場の細分化)
T : ターゲティング(狙う市場の決定)
P : ポジショニング(自社の立ち位置の決定)
セグメンテーションによって参入する市場を選別し、そのなかからターゲットとなる企業を決定するのがターゲティングです。
ターゲティングによく似た言葉としてセグメンテーションがありますが、セグメンテーションは市場を細分化して分類することであるのに対して、ターゲティングはターゲットを選ぶことである点に違いがあります。
次にポジショニングでは、市場における自社の立ち位置を明確にします。このようにS→T→Pの順序で分析を進めることで、マーケティングを行っていきます。
よく混同されるのが「ペルソナ」です。ペルソナとターゲットは明確に意味が異なりますので必ず覚えておきましょう。
ペルソナは具体的な顧客”像”を指す言葉で、「unname社のマーケティング部XXさん」のように全員が共通の顧客イメージを掴むことができるようにするためのフレームワークです。
ペルソナに対してターゲットは顧客”群”のことを指します。つまり、「従業員1万人程度の製造業」などの対象顧客の絞り込みを行うために用いるフレームワークになります。
ペルソナについてはこちらの記事をご参考ください
BtoBマーケティングのペルソナ設計方法【テンプレートあり】
BtoB企業がターゲティングを行う際の判断基準として「6R」と呼ばれるフレームワークがあります。
ターゲットとする市場規模が十分にコストをかけるのに値するほどの大きさがあるかどうかを確認します。ただし、市場規模が大きいと競合が多くなることに注意が必要です。
ターゲットとする市場が今後成長していくかどうかも重要なポイントです。市場規模が大きくても縮小しつつある場合には、衰退していくかもしれません。また、逆に、成長途上ではあるものの未成熟な市場であれば、競合があっても成功する可能性があります。
自社商品・サービスに対する顧客の優先順位を確認しましょう。優先順位が高く、自社商品・サービスを最も必要としている層をターゲットにすれば、成功する確率が高まります。
自社の商品・サービスを、実際に顧客へ届けられるかどうかを見極めます。ただし、アプローチしにくいターゲットほど競合が少ないため、参入に成功すれば成果は大きくなります。
競合の状況を調査しておくことも重要です。市場規模が大きくても、競合が多かったり、強かったりする場合には参入が難しいでしょう。ただし、競合の状況を精査することで、カバーされていないエリアや競合の弱みを発見できればチャンスをつかめます。
アプローチから成約に至るまでのプロセスで、マーケティング施策の効果を測定できるかを確認しましょう。測定ができない場合はPDCAを回すことができず、施策の改善も難しくなります。
BtoBマーケティングでは見込み顧客が企業であるため、個人をターゲットとするよりも数が少ないという特徴があります。
そのため、ターゲットを明確に定めやすいといえます。適切なターゲティングを行えれば、顧客ニーズも把握でき、マーケティング施策の精度は高くなるでしょう。
また、ターゲティングにより顧客との間にwin-winの関係性を構築できれば取引が継続され、LTV向上につながることが期待できます。
BtoB企業がターゲティングを行うメリットは次の3つです。
企業の購買行動を推測できる
企業の課題に応じたマーケティング施策を打てる
社内でターゲットの共有ができる
それぞれについて詳しく解説します。
BtoB企業がターゲティングを行い対象を絞り込むと、ターゲット企業の抱えている課題や悩みを把握しやすくなります。そこから、企業が課題を解決しようとする際の情報収集や購買行動を推測することが可能です。
企業の行動を推測し、自社の製品・サービスをどのようなアプローチで顧客企業に届ければ効果的なのかを検討しましょう。
企業の課題に対してソリューションを提供すれば、成約の可能性が高まります。
見込み顧客が知りたい情報を発信すれば、問い合わせやリード獲得につながります。見込み顧客が現在、どのような課題を抱えており、何を知りたいのかについては、ターゲットを明確化しなければわかりません。
ターゲティングができていれば、ターゲット企業の課題に応じたマーケティング施策を打てます。
ターゲットを設定し、さらに社内でターゲットの共有ができると、チーム内で統一した認識をもってマーケティング施策を決定したり、改善したりするのに役立ちます。
たとえば、市場に競合が参入してきて、ターゲットを修正する必要が出てきた場合には、新たにターゲットを設定しチーム内で共有します。
この共有ができておらず、チームメンバーが認識しているターゲットが異なると、マーケティング活動にズレが生じて業務効率化が妨げられてしまうでしょう。
また、新しいメンバーがチームに加わった際にも、すぐにターゲットを認識・共有できればスムーズに業務を行えます。
BtoB企業がターゲットを設定する方法は次の4つです。
STP分析でターゲットを設定する
既存顧客の受注パターンからターゲットを設定する
企業の属性情報からターゲットを設定する
企業内の個人の属性情報からターゲットを設定する
それぞれについて詳しく解説します。
STP分析ではセグメンテーションを設定したあとにターゲットを設定しますが、その前に自社のバリュープロポジションを決定しておくことが重要です。
バリュープロポジションとは顧客ニーズを満たしており、なおかつ自社商品・サービスのみがもっている価値のことです。
顧客ニーズを満たしていても、競合による商品・サービスで代替可能であれば、バリュープロポジションにはなりません。
また、自社商品・サービスのみがもっている価値を生み出していたとしても、顧客ニーズがなければバリュープロポジションではありません。
自社、市場、競合について分析し、バリュープロポジションを明確化することで、ターゲットの絞り込みをより正確に行えるでしょう。
ターゲットを設定する際は、既存顧客の受注パターンを分析しましょう。既存顧客の購買理由、購買した商品・サービス、購買頻度などのデータを洗い出すことで、ターゲット像が見えてきます。
既存顧客と似ているターゲットを選定すればマーケティング戦略が成功し、成約率の向上が期待できます。
BtoB営業のターゲットは企業であるため、どのような属性の企業が、自社製品・サービスへのニーズをもっているかを検討する必要があります。
企業属性は以下の項目によって構成されます。
業種・業界
企業規模(資本金・売上高・従業員数・上場区分など)
所在地・エリア
企業名
企業理念
抱えている課題
これらの属性項目を設定して、ターゲット企業を定めていきましょう。
顧客が企業であるとはいえ、最終的に意思決定をするのは担当者や決済者などの個人です。そのため、企業内の個人の属性情報からもターゲットを設定していきましょう。
個人属性は以下の項目によって構成されます。
部署
役職
社歴
決裁権の有無
担当事業の課題
情報収集の手段
企業属性を設定したあとに個人属性を設定し、さらにターゲットを絞り込んでいきましょう。ターゲットを適切に絞り込めるほど、マーケティング施策の精度は高まっていきます。
BtoB企業がターゲティングを行うと、企業の行動を予測できる、企業の課題に応じたマーケティング施策を打てる、社内でターゲットの共有ができるなどのメリットを享受できます。
ただし、ターゲットを適切に設定するためには、STP分析やバリュープロポジションの設定などの専門的知識やノウハウが必要です。社内に経験の蓄積がない場合には、外部コンサルタントに依頼することも検討しましょう。
unnameは、100社以上のBtoBマーケティングを支援してきた、豊富な経験をもつマーケティングカンパニーです。マーケティングとコンサルティングの両軸を起点として、持続可能な企業成長を支援します。ぜひお気軽にご相談ください。
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